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2013年09月10日 レスリング競技の存続が決定したが、さらなる改革が必要である。

【焦点】オリンピック競技に生き残ったレスリングだが、さらなる改革が必要

2013/09/10

(文=樋口郁夫)

2020年東京オリンピックで実施される最後の1競技に、大方の予想通りレスリングが選ばれた。大胆な組織改革などが実った結果で、他にもレスリング除外の決定に対して世界的な批判が起き、レスリングの伝統とオリンピック競技としての必要性が示された形だが、これをもってレスリングの立場が安泰というわけではなく、残された課題は多い。

追加競技を決める9月8日の国際オリンピック委員会(IOC)の総会では、まず2月にレスリングの中核競技からの除外を決めた決定に対しての批判が起きた。

複数のメディアが報じたところによると、リチャード・パウンド委員(カナダ)が「今回の総会は実施競技の決定ではなく、最古のオリンピック競技のひとつ(レスリング)の存続に終始しているようだ」と批判。「理事会で除外したレスリングを、同じ理事会が最終候補の3競技に含めたのは矛盾。選定作業を全面的に見直すべきだ」と主張し、レスリングを存続させたうえで、来年2月のソチ・オリンピックの時まで投票を延期し、新たな1競技を追加する案を提案した。

チャン・ウン委員(北朝鮮)も「レスリングが中核競技から除外された理由が明確でない。詳しい説明が必要だ」と主張したが、ゲルハルト・ハイベルグ委員(ノルウェー)が「決定を先送りにする理由が理解できない」と反論した。

ジャック・ロゲ会長は、レスリングが中核競技からはずれたのは「国際レスリング連盟の運営があまりにまずかったからだ。理事会に選手がおらず、選手が一切の投票権を持たないほか、幹部に女性がいない。ルールが一般人に分かりにく、連盟がテレビ観戦に適したスポーツへの変革に後ろ向きだ」などと説明。関係競技団体に公平になるよう事前に決められたプロセスを堅持するよう求め、理事会決定を承認するかどうかの投票に移った。

結果は、賛成77票、反対16票、棄権2票で、レスリングの中核競技からの除外がIOCとして正式に決定。続いて追加1競技を選ぶ会議に入り、3競技のプレゼンテーション・質疑応答のあと、投票へ。第1回の投票でレスリングが過半数の49票を獲得し、野球&ソフトボール(24票)、スカッシュ(22票)を退けた。

■“3000年の歴史の最大の危機”を救った新生FILAに期待

2020年東京大会での実施競技に決まったレスリングは、規定で2024年大会での実施も確定した。2017年には、2024年大会で実施される競技の“入れ替え作業”が行われる見込みだが、ここでのレスリングの立場は安泰。

しかし、2028年大会以降については未定。中核競技の見直しや、IOC憲章を改定して28競技にこだわらず実施競技と大会期間を増やすという案も浮上しているが、決定されている事項はない。

さらなる改革が期待されるネナド・ラロビッチ会長

いずれにせよ、古代オリンピックから続く伝統競技であっても、現代にマッチした改革を行わず、世間に受け入れられる努力を怠る競技では、オリンピック競技としての地位を失う現実を知った除外騒動だった。運営と普及広報の面で、これまで以上の努力がなければ、何年かあとには同じ場面に遭遇するだろう。 

プレゼンテーションの後に行われた質疑応答では、「レスリング界に汚職やメダルの売り買いがあると聞いている」といった辛らつな質問も飛び出た。「メダルの売り買い」というのは“八百長マッチ”のことと思われる。世界選手権などで、確証はないものの、それらしき試合があるのは確かで、こうした面への監視体制の必要も出てくる。

また、「なぜ女子はグレコローマンがないのか」という質問も出た。これは北京オリンピック女子48kg級金メダリストのキャロル・ヒュン(カナダ)が「女子は歴史が浅く、フリースタイルから始まり、フリースタイルへの取り組みが精いっぱいでした。今後、グレコローマンに関心が出てくれば、取り組むことになるでしょう」とかわしたが、IOCはあくまでも男女同数階級の実施を求めてくることが予想される。

ネナド・ラロビッチ会長(セルビア)は、5月にスウェーデンのメディアからこの問題を問われた時、「女子にグレコローマンは危険だと思う」と話し、女子グレコローマンの導入には否定的だったが、それがIOCに対して通用するものかどうか。

IOC内には、技の攻防の少ないグレコローマンへの懐疑的な声は消えておらず、グレコローマンの廃止、または男女4スタイルで18階級、男子両スタイルで9階級・女子9階級といった選択に迫られる事態も考えられる。

オリンピックに生き残ったレスリングだが、永久に残るための課題は山積み。レスリングの“3000年の歴史の最大の危機”を救ったラロビッチ会長をはじめとした新生FILAの活動に期待したい。

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2013年09月09日 レスリング競技の存続が決定

レスリングがオリンピック競技存続へ、2020・24年大会で実施…IOC総会

2013/09/09

 国際オリンピック委員会(IOC)は9月8日、アルゼンチン・ブエノスアイレスで総会を行い、2020年東京オリンピックで実施される最後の1競技にレスリングを選んだ。2024年大会での実施も自動的に決まった。

レスリングは2月のIOC理事会で中核競技から外され、候補に挙がっていた7競技とともに2020年大会の最後の1枠を目指していた。5月29日のIOC理事会で最終候補の3競技に残り、スカッシュ、野球&ソフトボールとともに争っていた。

総会では、IOC理事会が決めた昨年のロンドン・オリンピックの実施26競技からレスリングを除いた25競技を「中核競技」とすることを投票で一括承認。続いて野球&ソフトボール、スカッシュ、レスリングの順でプレゼンテーションと質疑応答が行われ、追加競技を決める投票へ。

95票が投じられ、レスリングは49票、野球とソフトは24票、スカッシュは22票。第1回の投票でレスリングが過半数を獲得し、レスリングの復帰(存続)が決まった。

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2013年09月01日 オリンピック競技世界の動向

世界の主要メディアがレスリングの優勢を報じる

2013/09/01

 世界最大の通信社「AP通信」は、9月7日からアルゼンチン・ブエノスアイレスで行われる国際オリンピック委員会(IOC)総会を控え、ベテラン記者が2020年大会開催地に「東京」、2020&24年大会の追加競技に「レスリング」、次期会長に「トーマス・バッハ(ドイツ)」を本命と予想した記事を配信した。

予想では、レスリングが7ヶ月の間に会長交代、ルール変更、組織改革、男女の格差是正などを行って「改革は完了した」とし、レスリングを救うため、考えられもしなく米国とロシア、イランが団結したことも報じて、2020年大会でその地位(実施)を再度勝ち取るとしている。

会長選挙に立候補するデニス・オズワルドIOC委員(スイス)の「(レスリングの復帰は)疑いない。除外はミステーク。それを直さなければならない」とのコメントも掲載している。

共同通信は「IOC内ではレスリングを除外候補とした決定が誤りだったとの見方が強く、複数の幹部が『レスリングは残留する』と指摘する」と報じ、国際レスリング連盟(FILA)が慢心することなく改革を続行していることを掲載した。

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2013年08月23日 全国大会報告

長崎インターハイ(島原市復興アリーナ) 8月4~8

成績

山口健太郎(S2-4) 1回戦敗退

全国高校生グレコローマンスタイル大会 大阪府堺市 金岡公園体育館 8月19~22

成績

永井達也(G3-8) 2回戦 判定負け   敗者復活戦 1回戦 判定勝ち   敗者復活戦 2回戦 判定負け

水上ノリアキ(S3-3) 1回戦 敗退

松田朋樹(S3-2)  1回戦敗退

山口健太郎(S2-4) 1回戦敗退

北村直矢(S2-2)  1回戦敗退     ※ 厳しい結果ですが、前進あるのみで頑張ります。

 

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2013年08月15日 オリンピック競技世界の動向

フリースタイルとグレコローマンで階級が違う可能性も…FILAネナド・ラロビッチ会長

2013/08/15

 【ソフィア(ブルガリア)、ビル・メイ】国際レスリング連盟(FILA)のネナド・ラロビッチ会長は8月14日、世界ジュニア選手権の行われている会場で記者会見し、2016年リオデジャネイロ・オリンピックに向けた新しい階級について、「(FILAの)テクニカルコミッションが決める。彼らは専門家だ。9月の世界選手権の時から約1ヶ月をかけて論議し、11月に国際オリンピック委員会(IOC)に報告する」と話した。 (注=FILAは現在、各委員会のメンバーを再構築中で、テクニカルコミッションのメンバーが確定するのが9月の世界選手権時の予定)

また、「現在は(正式には)何も言えない」と前置きしたうえで、「フリースタイルととグレコローマンは必ずしも同じ階級でなくてもいいと思う」との私見を披露した。

同会長は「アジアの選手は体の小さい選手が多く、かつフリースタイルが盛んなことを認識している」とコメント。具体的な説明はなかったが、この言葉からは、フリースタイルの最軽量級はグレコローマンより低い可能性もあることが推察される。「妥協することによって解決しなければならないこともある」と話した。

同席した欧州レスリング連盟(CELA)のチェノ・チェノフ(ブルガリア)は「各スタイル6階級はオリンピックでの実施階級だ。世界選手権や大陸選手権では、他の階級を実施していいことを意味する」と話し、従来の女子のようにオリンピック以外で実施される階級ができる可能性を示唆した。

「男子の階級を減らしてまで女子の階級を増やしたことに不満を持つ人がいる。どう説明しますか?」という質問に、ラロビッチ会長は「では、私の方から質問します。ロンドン・オリンピックで、男子14階級すべてで出場した国がいくつありましたか? 1ヶ国もなかった(注=最高はロシアなどの13階級)。男子のレスリングは長年にわたって衰退し、多く人の関心を失ってきた。一方、女子は見栄えがし、魅力的になっている。私は、今回の決定は男子レスリングの質の向上のためのチャンスでもあると思っている」と持論を展開した。

 

ロセン・プレベネリエフ大統領と会談したFILAラロビッチ会長(FILAホームページより)

ラロビッチ会長はソフィア入りする前、今月10日からモスクワで開かれている陸上の世界選手権を訪れ、多くのIOC委員とロビー外交を行っている。「モスクワでは34人のIOC委員と会談し、多くの委員が『レスリングは残る』と言ってくれた。もちろん、『レスリングは残らないよ』と言いに来る委員はいないだろうが…」と笑いながら、「いい感触を持っている。この6ヶ月間、やるべきことはすべてやった。ただ、ブエノスアイレス(9月のIOC総会の場所)では何が起こるか分からないので、気を引き締めたい。私達のゴールはオリンピックの中核競技に戻ることだ」と話した。 

会見の最後に「私達のやっていることは、すべてレスリングのためだ。そこには、世界中のレスリング・ファンの支援が必要だ」と結んだ。

ラロビッチ会長はこの日、チェノ・チェノフCELA会長、ブルガリア・レスリング協会のバレンチン・ヨルダノフ会長とともに、ブルガリアのロセン・プレベネリエフ大統領と面会。同大統領は2月のIOC理事会のレスリング除外の決定のあと、IOCへ存続を求める書簡を送ったほどで、同国のメーン競技でもあるレスリングの支持をあらためて伝えられたという。

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2013年08月12日 レスリング競技世界の動向

「男子の軽量級が削減されないよう要望したい」…日本協会・福田富昭会長

2013/08/11

 当初の予定では、2020年オリンピックでレスリングが存続することを前提に、その大会から実施を予定していた「女子の2階級増、男子の2階級減」が、9日の国際オリンピック委員会(IOC)理事会の決定により、2016年リオデジャネイロ・オリンピックから実施されることになった。

日本協会の福田富昭会長は10日、翌日のドン・キホーテ杯全日本ビーチ選手権のために訪れていた茨城・大洗町で「予測はできた。IOCのアドバイスをFILAは即座に対応してきた。男女格差の是正というIOCのリクエストに応え、(FILAが要望して)こういう結果になった」と話した。

具体的な階級は9月の世界選手権(ハンガリー・ブダペスト)の期間中に決まるそうで、日本協会としては、すでに3スタイル6階級実施の場合の案を提出しているというが、欧州は重量級に人気と実力があるため、どうなるかは分からないという。「軽量級が削減されないよう要望したい」と話した。

栄和人・女子強化委員長(至学館大教)は「日本のメダルの可能性は広がる。重量級は外国が強いので全階級制覇は厳しいかもしれないが、4、5階級で優勝を狙える」と話したあと、「日本にとってのみならず、女子の世界的な普及という面で大きなこと」と歓迎した。

具体的な実施階級が分からないため、吉田沙保里や伊調馨(ともにALSOK)らにとって有利か不利かの言及は避けた。

男子は各スタイルとも1階級を減らされることになり、オリンピックの門が狭まった。ロンドン・オリンピックのフリースタイル66kg級優勝の米満達弘(自衛隊)は「決まったんですか? 急に言われて、しかも新しい階級が分からない状態では何とも言えません」と第一声。

7階級が6階級に変われば、66kg級がそのまま存続する可能性は少なく、階級が上(70kg級など)か下(63kg級など)かの選択を迫れらることになるが、「上げるか下げるかにかかわらず、やるしかない。その階級に合わせて体を変えていく」と話した。

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2013年08月10日 オリンピック競技世界の動向

2016年リオデジャネイロ大会は3スタイルとも6階級で実施…女子は2階級増

2013/08/10

 国際オリンピック委員会(IOC)は8月9日、ロシア・モスクワで理事会を開催し、2016年リオデジャネイロ・オリンピックの階級数を、3スタイル(男子両スタイル、女子)ともに6階級とすることを決めた。男子各スタイルは1階級減り、女子は2階級増える。

当初は2020年大会ででIOCに提案していたが、共同通信によると、国際レスリング連盟(FILA)のネナド・ラロビッチ会長はレスリングのオリンピック存続をアピールするため、階級変更を1大会早めることを6月末に決め、IOCに再提案していたという。

同会長の「女子の参加促進のために提案した。リオ五輪まであと3年あり、時間は十分にある」とのコメントを掲載している。

体重区分は今後、協議して決めるという。

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2013年08月01日 オリンピック競技世界の動向

レスリングはオリンピック復帰の道に乗っている」…IOCトーマス・バッハ副会長

2013/08/01

 ロイター通信が報じたところによると、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ副会長(ドイツ)は7月31日、ドイツ・ベルリンで外国記者協会に対し、「レスリングは大きな変革を成し遂げ、オリンピック競技に戻るのを待っている」と話した。

IOCのジャック・ロゲ会長の勇退に伴って会長選挙に立候補するバッハ副会長は「私は、国際レスリング連盟(FILA)は私達のメッセージをしっかりと理解してくれたという印象を持っている。FILAは会長を変え、ルールを変え、組織を変えた」と評価し、「レスリングが9月の総会でオリンピック競技に戻るためのいいチャンスを持っていると信じている理由だ」と話した。

世界最大の通信社のAP通信も、同様のニュースを報じている。

レスリングの改革はロゲ会長も高く評価しているほか、バッハ副会長のほかに会長選挙に立候補するデニス・オズワルドIOC委員(スイス)とセルゲイ・ブブカIOC理事(ウクライナ)もレスリング支持を表明している。

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